損益計算書のおすすめ活用方法

「損益計算書は発生主義なので、実態とはズレることがある」ということを、以前の記事でお伝えしました。

それでは損益計算書をつかうメリットはないということなのでしょうか? いえいえ、損益計算書には大きな役割があり、使いこなすことで自社の分析を的確に進めることができます。

ということで、今日は損益計算書の利点を2つご紹介します。

1.損益計算書で事業の全体像を把握しよう

損益計算書は発生主義です。売上の数字としては契約済みのものはすべて計上されています。このため、この表を見ることで自社がどれだけの金額の契約を取っているのかということを把握することが容易なのです。仕入や経費についても同様です。

つまり「この一年で自社がどれだけの仕事を取れたのか、どれだけの費用を発生させることとしたのか」は損益計算書を見れば一目瞭然にわかるのです。(工事進行基準を用いた場合など、一部例外はあります。)

これは、言い換えれば、自社の経営方針が数字で表現されているということになります。

事業活動の全体像を把握するには損益計算書、キャッシュの流れを把握するには資金繰り表、という形で上手に使い分けていきましょう。

2.他社と自社を比べてみよう

損益計算書は決算書の一部でもあるため、様式がほぼ固定されています。詳しくはまた解説したいと思いますが、営業利益・経常利益などの項目はどの決算書にも載っています。

項目(フォーマット)が決まっているということは、「比較」するのに最適だと言うことができます。

自社と同業者の損益計算書を並べて「他社はこれだけの営業利益があるのか。これに追いつくにはどうすればよいのか」と経営戦略を練ったりできる他、自社の過去の損益計算書を現在のものと並べることで、状況の変化を把握したりできます。

みなさんも年に1度健康診断を受けると思います。診断表に書かれた自分の数値を、基準値や過去の自分の数値と比較して健康についてあれこれ考えることができるのは、健康診断表が決まったフォーマットで書かれているからこそです。

これと同様に、損益計算書もフォーマットを生かしていろいろな比較・分析に活用できます。損益計算書は情報の宝庫です。ぜひ活用してみてください。

ということで、今回は損益計算書の活用方法についてでした。

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